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野良師のつぶやき
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「野良師のつぶやき」

湖の上で思ふ

漁業も農業と同じように一種の「斜陽」産業かもしれません。琵琶湖でも例外ではなく、年々漁獲高も減り、漁師さんも減る傾向にあるようです。寂しい話ですが、現実。

今日、ひょんなことをきっかけに湖北町の漁師さんにお会いする機会を得ました。その方は、広い視野で琵琶湖と魚について考えておられ、また「湖上タクシー」なるものを提案して、訪れる方に琵琶湖を案内されています。

 

さかのぼること12年。ぼくは学生時代、琵琶湖の水質を研究していました。何回か船に乗って琵琶湖の真ん中まで行きましたし、水深ごとに水を汲んだり、植物プランクトンを観察したりもしていました。

ですがそれは、ただ船に乗るのが楽しかったり、琵琶湖でカヌーをする延長で楽しんでいたり、そんな程度の「研究」。いいかえれば、娯楽のようなものです。琵琶湖を仕事場にする漁師さんの「生きた話」「暮らしと隣り合わせの話」はまったく聞いたことがありませんでした。そんなぼくにとって、今日の出会いは大きかった。

 

曰く、琵琶湖は山に囲まれ、そこを起点に里を流れてきた水が集まっている。その里に住まう人間が水を使い、その使い終わった水が琵琶湖に注ぐ。

数十年前と比べて、山やそこに生える植物、人口や家の数、工場や施設、はそこまで劇的に変わっていない(つまり湖北が田舎のままであるってこと)。けれども、ただ唯一大きく変わったのは「人間の水の使い方」だと。生活はモチロンだけれど、農業の水の使い方が大きいのだとも。

人間が水を使う。過去と今の水の使い方の変化が、琵琶湖に現れているということのよう。

 

確かに農業は昔と違う。碁盤目状に田んぼが整えられ、用排水が分離され、使う水の量は倍以上。肥料も数倍、農薬もたくさん使うようになった。そんな変化が閉鎖水系に悪影響を及ぼした。

・・・考えさせられた。「水」という必要不可欠な媒体が、農業を生かし発展させてきた反面、漁業を殺してきたという現実について。それくらい繊細で密接な関係があったことに驚かされもした。

もちろん学生時代にも、そういう事実を聞き、想像はしていたので知ってたつもりだったけれど、「肉感」したことは無かった。自分のことのように考えたことも無かった。まあ甘ちゃんの学生ならではですね・・・。

 

ぼくはカヌーが好きだ。そんで、琵琶湖も好き。農業も好き。湖魚もうまい(モロコもビワマスもフナ寿司もイワトコナマズも)。全部つながるし、全部生かしたい。

琵琶湖で農業やっておられる方は、ぜひ一度「湖上タクシー」に乗ってみてください。琵琶湖を外からしか眺めたこと無い方もぜひぜひ。そして何より、この漁師さんと話してみてください。ほんとうに楽しい方でした!

 

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農業も漁業もフィールドは違えど、大地にお世話になっている産業。手を取り合うべきだと強く思うようになりました。そして林業も、ですね。

同時に、琵琶湖の上流部に住む人間として、下流のことにもっと思いを馳せねばならないと思うに至りました。よっしゃ、こんど大阪行く時は、淀川の河口を見てこよう。

そして、大阪や京都のみんなには、ぜひ源流を案内しよう。そうしよう。

 

「つながる」「バランス」・・・。次の時代のキーワード。間違いなしっ!

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写真は、葛籠尾崎の東の湖上から。北部の山並み。